今回は、DTMでアコースティックドラムなどを使用した時、
必ずと言ってよいほど、初めにぶつかるであろう壁
「なんかドラムの打ち込み感が半端ない・・・」
を解決するための記事です!
これは、ある2つのポイントを抑えることで解決します!
それは、『ベロシティ』と『ゴーストノート』です。
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DTMの打ち込み方法(初心者向け)
そもそも打ち込み感って何??
DTMを始めたばかりだと、打ち込み感って何??と思う方も多いと思います。
簡単に説明すると、「機械的」と言った感じです。
人間が演奏する楽器のほとんどには、強弱というものがあります。
例えば、全く同じフレーズでも、
1回目と2回目の演奏が寸分も狂わずに全く同じになるということはほとんどありえません。
人間ですから、「同じ事をしていてもタイミングや音の強さがわずかに変わってしまう」というのは当たり前のことです。
しかし、DTMではそれが出来てしまうんです。
同じフレーズをずっと同じリズム、同じ強さで表現できます。
もちろん、EDMのような機械的な音楽では違和感のない話ですが、
アコースティックドラムや、ギターなどの強弱が大事な楽器でそれをしてしまうと、
やはりかなりの違和感があります。
ずっと平坦でとても機械的な演奏。
これがいわゆる打ち込み感というやつの正体です。
この打ち込み感を無くす為の方法を、1つずつ解説していきたいと思います。
ベロシティ
ベロシティとは、DTM用語で言う「強弱(音量)」です。
DTMでは、音の1つ1つに強弱(音量)をつける事ができます。
先程説明した通り、ほとんどの楽器には強弱というものがあるので、
まずは平坦な打ち込みに強弱をつけてみましょう。
まず、オーソドックスなドラムのリズムをこんな感じに打ち込んでみました。
*打ち込みのやり方が分からないという方は、過去の記事を参考にしてみて下さい。
→DTMの打ち込み方法(初心者向け)
音で確認するとこんな感じになります。
だいぶ平坦で機械感がすごいですよね?
この平坦なドラムにベロシティで強弱をつけていきます。
ピアノロールの左下に「ベロシティ」という箇所があります。
ベロシティを変えたいノートを選択し、このツマミをいじると、
そのノートの音の強弱(音量)を変える事ができます。
ベロシティの数値が高いほど音が強く、数値が低いほど音が弱くなっていきます。
また、選択したノートの色が強くすると赤く、弱くすると青くなっていくので、視覚的にも分かりやすくなっています。
このベロシティを使い、先程のドラムにこんな感じで強弱をつけてみました。
ベロシティの数値は、使うドラムの音源やジャンルによって様々ですが、
今回の場合、リズムの要であるバスドラムとスネアドラムは聞こえやすいように110~120ぐらい。
ハイハットなどのシンバル系は65~90ぐらいになっています。
ハイハットは1小節に4つ鳴っていますが、音の強さは
「強・弱・中・弱」という順番でベロシティを変えています。
後半のフィルも同じように1つ1つ音の強さを変えています。
音で確認するとこんな感じになります。
先程のドラムに比べると、バスドラムとスネアドラムの音がしっかり聞こえ、シンバルにも抑揚がついています。
しかし、正直そこまで大きく変わっているわけではありませんよね?
「言われてみれば確かに違うかも」ってレベルの変化だと思います。
ただ、この微妙な音のバランスが、打ち込みのドラムに人間味を持たせる重要な役割になります。
この作業をするかしないかでは、曲が完成した時のクオリティーは大きく変わってきます。
ベロシティで変化をつけたら、続いてゴーストノートというものを入れていきます。
ゴーストノート
ゴーストノートとは、ドラムを楽譜で表した場合、
「楽譜には表記されていないが鳴っている音」です。
実際、人間の人がドラムを叩く場合、とても小さい音でこのゴーストノートが入っていたりもします。
打ち込みのドラムに、このゴーストノートを入れるだけでリズムにノリが出て、人間味もグッと増します。
これを打ち込みで表現するとこんな感じです。
基盤となるフレーズの間に、ベロシティを小さくしたゴーストノートを入れてあげます。
初めは「ゴーストノートってどこにどう入れたら良いのか分からない」という方も多いと思います。
はっきり言って正解はありません。
というのも、ゴーストノートを入れる場所は、その楽曲のノリだったりドラマーのクセによって人それぞれだからです。
なので、初めは色々な箇所に当てはめてみて、聞いた感じで自分がしっくりくる場所を探していくのが正解だと思います。
試しに、先ほどのベロシティをつけたドラムに、少し大げさにゴーストノートを入れてみました。
ベロシティは30~60ぐらいの微妙に聞こえるレベルの大きさで、
ハイハットの間とスネアドラムの間に適当に入れてみました。
音で聴くとこんな感じです。
だいぶ人間っぽくなったのではないでしょうか?
ここで、一番初めの何もしていないドラムと聴き比べてみて下さい。
基本的な「ドン・タン・ドド・タン」というリズムは2つとも全く同じですが、
人間味が全く違うのが分かると思います。
まるで別人のドラマーになりましたね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、たった2つのポイントでドラムを人間っぽく打ち込める方法をご紹介しました。
DTMは、自分一人で様々な楽器を使い音楽を作れる便利なツールですが、
その反面、自分で打ち込んだ音の1つ1つに小さな手間をしっかりかけてあげないと、
とても無機質な音になってしまいます。
特にドラムの打ち込みを使う人は多いと思いますので、
今回ご紹介したポイントを押さえてドラムを打ち込むと、
作った楽曲に人間味がより増していくと思います。